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Reading: 新しい中世
Listening: UP NOW - XG
Watching: 葬送のフリーレン S1E3

AI によって効率が最大に高まっていくなか、ひとや組織がそれを活かすには健全であることが必要になります。

これは以前書いた 21 確からしさ Presence の延長にある話です。流動的近代では、あらゆる確実性が液体のように溶けていきますが、AI はこの変化をさらに加速させます。

私は以前こう書きました。

“変化の激しい社会では、最新の情勢をキャッチアップしていくことが必要だと焦燥感に駆られる一方で、流動的変化から逃げ出して、かつてのような安定的で変化の少ない環境で安息を得たいと願うようにもなりました。” - #21 Presence 確からしいものが求められる

このジレンマに対して、 16 アナーカイブ という戦略を示しました。伝統や昔からある知恵、変わらないものと生きる試みです。ただそれは、伝統産業の苛烈な生き残りに見られるように、これからの変化に対して脆弱かもしれません。なぜなら、AI 時代の流動性は、単なる速さの問題じゃないからです。

ジグムント・バウマンは「近代的であるとは、立ち止まらず、静止しないこと」と書きました。でもいまのスピードは、立ち止まらせないだけじゃなく、立ち止まる場所そのものも見失わせます。

この状況で必要なのは、変わらないものの中で生きるアナーカイブだけでもなく、変化に適応するというシンプルな話でもなく、両極端を同時に扱う何かです。それを「健全性」と呼んでみます。

健全性を、流動的近代で例えるとすれば、液体でありながら固体であること。形状が変わってもそのものらしさがわかること。水たまりが蒸発し、空から雪として降ることをまるごと作り出すような、これらを成立させる考え方。子どもから老人になっても、そのひとらしさが保てているひとは、健全性があるのかもしれません。

よく考えれば、確からしいものを見つけたとして、それが本当に信用に足るものなのかを判断したいです。なにしろ、信用した途端に変わってしまうなら安心できませんね。その一方で、世界の変化についていけない硬直したものであったなら、もっと良いものを探したくなります。

健全性とは、安定と変化を同時に実現すること。これを分解すると、持続性(変化を減らす力: 回復力をともなう一貫性)と創発性(変化を増やす力: 観察力をともなう多様性)になるでしょう。

健全性 = 安定×変化 -> 持続性 × 創発性 = 一貫性(回復力) × 多様性(観察力)

次回は持続性について、自律、回復力、一貫性をキーワードに考えます。

- Tora

私たちが “もっているものでうまくやる” には、少しずつ自分の世界を広げ、自分自身を理解し、思いがけない組み合わせを試してみる必要があります。これらは、そのプロセスの様子です。

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